【BCP】命と尊厳を守るTKB48~2026年熊本地震シャワートラック派遣から学ぶ災害時の公衆衛生
2026年7月28日に発生した熊本地震により、被災された皆様に心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。
今回の地震では、各地で断水などのインフラ被害が多発しており、7月31日時点で熊本県内において約7万9,100戸、特に八代市では約2万5,300戸にのぼる深刻な断水が発生しました。八代市での応急給水活動では「1回あたり5L程度」の配布制限が設けられるなど、現地での「水」をめぐる状況は極めて厳しいものです。
一刻も早い復旧と、皆様が安全に過ごせる環境が整うことを心から願っております。
交野市から派遣された「AI循環式シャワートラック」と弊社の想い
この水不足に対して、大阪府交野市は熊本県八代市への災害支援として「AI循環式シャワートラック」の派遣を決定し、7月31日の18時前にトラックは熊本県へ向けて出発しました 。翌8月1日には八代トヨオカ地建アリーナ(総合体育館)に到着し、ただちに支援活動を開始しています 。
このシャワートラックは、使用した水をなんと98%もリサイクルして循環利用できる最先端のシャワーシステムを搭載しています 。水が極度に不足している被災地でも、1人あたりわずか1リットル程度の少ない水で温かいシャワーを提供できる画期的な車両です 。さらに今回は、500mlの水2,400本と、携帯トイレ3万回分も満載して出発したという!
実はこのトラック、企業版ふるさと納税制度とクラウドファンディング(目標720万円に対して888万1千円を達成!)によって導入されたもので、私たち寝屋川興業・エンタープライズ山要も微力ながらその導入を支援させていただきました!
車両背面に支援企業として小さく弊社のロゴが掲載されたトラックが熊本に向かう。なんてムネアツでしょうか。私たちの住む町・エリアの防災力強化だけでなく、広い日本の被災地支援に協力できることができて 素晴らしい企業版ふるさと納税だったなと思います。今後も自社の防災力強化だけでなく 被災地支援の一助となるような取り組みを意識していきたいです。
被災地の公衆衛生を守る「TKB48」と、見落としがちな「トイレの備え」
被災地における深刻な水不足は、避難所の公衆衛生の悪化に直結します。 ここで重要になるのが、災害時の避難所環境を評価する上で近年とても大切にされている「TKB48」という考え方です 。
これは、避難所の公衆衛生と避難者の尊厳を守るため、「トイレ(Toilet)」「キッチン(Kitchen)」「ベッド(Bed)」の3つを、災害発生から48時間以内に整えようという実務的な合言葉です 。
- T(トイレ): 断水や停電で真っ先に崩壊するのがトイレです 。トイレが不衛生になると、排泄を我慢するために水分を控えてしまい、脱水症状やエコノミークラス症候群、最悪の場合は災害関連死(過去の震災でも関連死の約3割が肉体・精神的疲労が原因で、その背景にはトイレを心配した水分補給制限等があります)に繋がってしまいます
- K(キッチン): 温かく栄養のある食事は、避難者の体力維持に直結し、気力と体力を高めるために欠かせません
- B(ベッド): 床に直接雑魚寝することを避けて睡眠の質を確保し、埃や感染症から身を守るプライバシー空間を確保します
チームアンケート:【お家での備えは?】水・食料はバッチリ、でもトイレは…?
「TKB48」の中でも、最も身近で、今すぐに個人で対策できるのが「T(トイレ)」の備えです。
以前、BCPチームのメンバーを対象に「お家でしている備え」についてアンケートを行ったところ、非常に頼もしい結果が返ってきました。 「常に水を買ってストックしている」「カップラーメンや非常食を用意している」「ローリングストックとして賞味期限を貼っている」など、多くのメンバーが水や食料の備蓄をバッチリ行っていました 。また、「懐中電灯やラジオ、ライトを用意している」と情報・灯りの確保に努めているメンバーも目立ちました 。
しかし、その一方で、災害時に水が流せなくなった時の「携帯トイレ」を備えていると答えたのは、なんとメンバーの中で弊社のデンジャラスKこと川田さんただ一人でした 。さすがアウトドア派!
実は、この「水・食料は備えているのに、トイレの備えを忘れてしまう」という傾向は、私たちの会社だけではありません。 内閣府(経済産業省)が発表したデータによると、家庭での水や食料の備蓄が進む一方で、災害用トイレ(携帯・簡易トイレ)を家庭で備蓄している割合は、わずか約20%(約2割)に留まっているのが現状です。 「食べるものは用意したけれど、排泄する場所がない」――。これは多くの人が見落としがちな、非常に大きな盲点なのです。
内閣府が推奨する備蓄目安は「1人あたり35回分/週」
では、実際にはどれくらいのトイレを備蓄しておけばよいのでしょうか? 成人の1日の平均排泄回数は1人あたり5回と言われています 。 これに基づき、経済産業省や内閣府では、初動の支援物資が届くまでの期間やインフラ復旧までの時間(仮設トイレなどが整備されるまでのタイムライン)を考慮し、最低でも1週間分の備蓄(1人あたり35回分)を推奨しています。
家族構成に合わせて計算すると、必要な備蓄量は以下のようになります 。
- 1人暮らしの場合: 5回 × 7日 = 35回分
- 2人家族の場合: 5回 × 2人 × 7日 = 70回分
- 4人家族の場合: 5回 × 4人 × 7日 = 140回分
「3日分あればいいだろう」と思いがちですが、能登半島地震などの過去の災害では、避難所等に仮設トイレが十分に整備(避難者50人に1基の目標達成)されるまでに10日程度を要したケースもあり、初動をつなぐ携帯トイレの十分な備蓄がきわめて重要であることが浮き彫りになっています。
水が出ない ことよりも 配管の亀裂などで マンションなどは汚水が廊下や下の部屋にあふれ出す なんて恐れも考えられます!集合住宅の方は 大きな揺れの跡は トイレを使わない、備蓄トイレの多めの確保がよさそうです。
私タマ社長の住まいもテナントビルなのですが、200回分のトイレ備蓄しているものの 配管復旧にものすごく時間がかかりそうだなって不安になりました。また、BCAO関西メンバーとの話では 安い携帯トイレのキッドは 袋から劣化して破けちゃう とか 一瞬固まっても また元に戻ることも なんて聞きました!うちのは大丈夫かな~
携帯トイレは「持っているだけ」では意味がない!
また、防災士などの専門家は、「使い方を知らない携帯トイレは、無いのと同じ」と警鐘を鳴らしています。 被災現場では、事前に使ったことがないために「便器への袋の固定方法を間違えてズレてしまう」「吸水剤(凝固剤)を入れ忘れる」「使用後の袋の縛り方が甘くて臭いが漏れる」といった失敗が本当に多く発生しています 。 さらに、携帯トイレが不足してくると、1枚のポリ袋を複数回使用せざるを得なくなり、便器から溢れたり不衛生になったりして感染症リスクや精神的ストレスを増大させます 。
そのため、以下のポイントを日頃から意識しておくことがとても大切です。
事前に必ず1度開封して、実際に使ってみる(練習する)
便器が汚れないように、あらかじめゴミ袋などを下にかぶせて二重にするなどの工夫をマスターしておく
使用済みの携帯トイレは、臭いを遮断するため、ふた付きの容器(衣装ケースなどでも代用可能)で直射日光を避けて保管する
まずは「1回、実際に家で使ってみる」という小さな行動から、お家でのトイレ対策をアップデートしてみましょう!
過去の取り組みをおさらい!我が家に必要な備蓄を調べよう
私たちの事業継続計画【BCP】は、分厚い計画書を「覚える」ことではなく、いざという時にだれでも本当に「動ける」ようになることを目指しています 。 過去のブログでも、備えに関する実践的なアイデアを発信してきました。
特に、今年5月8日に投稿したブログ【BCP】熊本地震から10年。改めて地震に備える机上訓練&見落としがちな「トイレの備え」では、今回のブログにも繋がるメンバーのリアルな備蓄アンケート結果や、トイレ対策の基本について詳しくご紹介しています 。
また、以下の過去記事でも役立つノウハウをたくさん載せていますので、ぜひあわせて振り返ってみてください!
- 「必要な水の備蓄量&節水アイデア★ 交野市シャワートラックお披露目式」(2025年5月投稿)
- 「冬の非常持出袋★ 2/17事業継続 新任担当者向け勉強会」(2025年1月投稿)
- 「夏に備えたい防災グッズ☆停電・暑さ対策」(2024年5月投稿)
家族分の備蓄量がすぐわかる!「東京備蓄ナビ」
「うちは4人家族だけど、水やトイレは具体的にどれくらい用意すればいい?」と迷ったら、東京都が提供する非常に便利なWebサイト「東京備蓄ナビ」を活用するのが一番の近道です!
同居している家族の人数や年代、性別、住まいの種類(戸建てか集合住宅か)、ペットの有無などの簡単な質問にポチポチと答えるだけで、あなたのご家庭に合わせた備蓄品目と必要量のリストを自動で作成してくれます。 季節に応じたアイテムや、高齢者・赤ちゃん向けの見落としがちな必需品もしっかり教えてくれるので、ご家族で一度お試しいただくのに最適です 。
備蓄トイレに限らず、非常用太陽光パネルも 使ったことなかったな~今度のお休みに私も備蓄品のチェックとともにチャレンジしてみよう~
